出来るだけ、原画の色合いをそのまま伝えたくても、
画像や印刷物になるとどうしても色合いが変化します。
描いた絵をインスタグラムにアップしたり、
このサイトもそうですが、HPに載せたりする際には、
絵をスキャンしたり、カメラで撮ったりします。
これが、肉眼でみているそのままの色を
出力するのが本当に難しい。
明るさ調整や、コントラストを変えたりして
なんとか肉眼で見ている色合いに
近づけようとしますが、
やっぱり同じにはなかなかなりません。
色鉛筆や水彩、淡い色の作品
とくに難しいと日頃感じているのが、
色鉛筆や、水彩で描いた作品。
同じ色鉛筆画でも、色を濃く描く場合には
あまり困らないのですが、淡い色彩の場合、
カメラだとほとんど映らない。
肉眼だと、ふんわりとした柔らかい画面でも
画像になると白く飛んでしまって色がほとんど見えなかったりします。
色を引き立てようと、画像を調整しても
逆に今度は鮮やかすぎてしまったりして。
色鉛筆で絵を制作してい画家、きたのじゅんこさんも
著書の中で色鉛筆画を印刷物にすることの難しさを
書いていらっしゃいました。
それでも、近年ではかなり技術が進み、
現物と近い色合いで出力できるようになったのだそう。
メディアとリアルの違い
実際に絵を見に行かなくても、自宅にいながら
様々なメディアを通して絵を楽しめる現代。
その「絵」を見ているつもりでも、
細かく言えば、見ているのは画像であり、
印刷物です。
でも、私はメディアがあることで、
楽しみ方も
共有の仕方も広がって
より豊かな生活が出来ています。
なので、メディア、原画
どちらもそれぞれの良さを
楽しんで感じてもらえると、
良いのかな。
画像で見たときは
もっと硬い印象だったけど、
原画は柔らかい印象だった
とか
平面的に描かれているのかと思っていたけど、
原画を見たら
意外と絵の具が盛り上げられて描かれていた
とか
そういった違いを楽しむのも
ありかもしれないです。
私は、
例えば美術館などへ行ったときには、
実際に画家が描いた作品そのものを見て
「ああ、このキャンバスの上を、この人が持った筆が通ったんだ」なんて
思いを巡らせながら見ています。
原画の良さです。
何百年も前に生きた人がキャンバスに乗せた色が
今もそこにあるって
素敵ですよね。
その画家が描いている時から始まり、
一筆一筆積み重ねられて、作品ができて
またその作品が、時を刻み、時代を超えて
今ここにある。ロマンチックに思えます。
でもそれも、メディアがあるおかげで
私たちはその画家の存在を知ることが出来ている。
美術書なり、学校の教科書なり、美術館の広告、パンフレットなり。
原画とメディア
原画と、画像や印刷物は
もともと違うものだし
ある程度は見た印象も良いのかもしれないです。
どちらかというと今の時代は
現物よりも
メディアが主流な時代。
だからこそ
画像だけで満足、原画を見ても何も感じない
とならないように努力したい。
幅広く楽しんでもらえるツールは
「メディア」>「原画」であっても、
もっと私を深く感じてもらえるツールとしては
「メディア」<「原画」となるように
大切にしていけたらいいな。