ピカソとゴッホ

ピカソも、ゴッホも、

今では絵についてあまり興味がない人であっても

知っているくらいに有名な画家です。

ピカソとゴッホ。

画家としての職業は同じですが、

アプローチの仕方が対照的です。

ピカソというと

派手だったり、個性的な絵を思い浮かべるかもしれませんが

かなり多くの画風で絵を描いてきた画家なのだそうです。

というのも、その時代の他の画家の絵を見ては

構図や描き方を取り入れて、自分の作品として世に出していたのです。

盗作だと、言われたこともあったそうですが、

それに対してピカソは、

自分はあらゆる画家の描く絵も、自分の中に取り入れて消化し、自分のものとして表現できるのだということを訴えたそうです。

破天荒な印象が強く感じられますが、

ピカソが少年時代に描いた写実的な自画像。画力がすごすぎます。天才と言われるわけです。

そんなピカソは、当時から有名で、描いた絵は高額で売れて行ったそうです。

また描いた枚数もものすごい。

ピカソ1人で、美術館を作れてしまえるほどの量の絵を

制作していたのだそう。

ピカソは、自分の絵がどうであるかということよりも、

いかに世の中が求める絵を描けるか

ということに

重きを置いていて、

そのために、良いと言われる構図や技法は

どんどん取り入れて自分の作品にしていったそうです。

一方、ゴッホはというと、

自分の絵を追い求めた画家なのだそう。

多くの人に認められる絵よりも、

自分の表現だけを信じ続けて、描いたそうです。

ですが、なかなか作品は評価されず、

人間関係にも苦しみ悩んだゴッホは、

あの有名な自分の耳を切り落としてしまうという

衝撃的な行動に出て、

精神的にもかなり追い詰められていきました。

ゴッホの絵が評価されたのは、ゴッホが亡くなってから。

生きている間には絵は一枚も売れなかったのだとか。

今、こうして評価されている絵が

当時は見てもらえない。

絵画の価値って何なのでしょう。

絵は心を投影しているから、価値がないという評価はつまり、必要ないというレッテルにもなります。社会的な。

ゴッホが不幸だったのかというと、必ずしもそうではなく、ピカソもピカソで、破天荒さゆえの孤独というか、寂しい人生であった側面も垣間見えたり。

ピカソとゴッホ、

対照的な2人の絵に対する思い。

自分だったら絵をどうしたいんだろうか、と

考えさせられます。