データが全滅した日。

こだまするように響く先生の言葉と、歯を引っこ抜くミシ…ミシミシという音がループして脳裏から離れません。一瞬世界がスローモーションに見えたような。そんな親知らず抜歯翌日、新たな喪失感が待ち受けていたのです。

お勉強した日々も

昨年末から挑戦してきたCG作成。ゼロから始めて、試行錯誤の日々。少しずつ、少しずつスキルアップしながら、作品を作り込んできたのです。人体の骨組み。その骨組みにまとわせる肉体。そして骨と肉体の連動。髪の毛や、肌、目の質感、服のデザイン。言葉にすると簡素に思えますが、緻密な作業の繰り返しでした。作ったデータもたまり、ようやく全体像も見えてきて、ワンステップ先に進めるかもしれない!と思った矢先。YouTubeにも、そんな近況を報告した矢先。

全て、本当に全て、データ飛びました。

自分がパソコンを触っていた時ならまだしも、貸している一瞬の間の出来事。

ハプニングの起き方がえげつない。

さて。

ショックよりも、真っ先に考えたのは、次の一手をどうするかです。

正直さらに現時点から半年間、また1から同じ作業を繰り返す気力が、どうしても湧きません。しかも、かなりのエネルギーをそそいで作ったので、同じ熱量で出来ない気がしてなりません。もっと言うと、気力なんてまぁ、少し休んでしぼりだしたら、どうにかなるかもしれませんが、やはり1番は時間のロス。同じだけの時間を使ってでも、やり通すべきか。あの熱量でやるならば、その間また、他のやりたい事を諦めなくてはならない。

データは喪失しましたが、唯一残っているのはスキル。半年間積み上げたスキルはデータ飛ぼうが、パソコン壊れようが、失いようが無いので、もしかしたら前よりは早く仕上げる事ができるかもしれません。

ただ人物の絶妙な表情とかは、二度と同じにはできないだろうなぁ。。。すごくかわいかったのに。

TEL

ひとまず復旧できるか業者に電話。調査してもらうことにしました。なんとかblenderファイルだけでも取り出せたらいいなぁ。

飛んだ分のデータ直前まで、ちまちまと、まじめにバックアップしていたのですが、なぜかこの間の取っていないタイミングで消えるという。そろそろ大事なデータたまってきたからバックアップしなきゃなぁ、と思っていたらこんなことに。タイミングが完璧すぎです。バックアップはこまめにやりましょう。できればローカルにもクラウドにも、どんな事が起きても対応できるように。

器械ってこわっ。

復元できなかったらどうしましょう。本当にどうしましょう。

好転チャンスのボーナスステージ

この先の進み方を今一度考え直さなくては。

考えよう。よく考えるのだ。

ハプニングや試練は軌道修正の為のギフトなのですきっと。

何かが違う。何か気づくべき事がある。好転させるべきことがあるはずです。

きっとそれはひとつではなく、色んな要素に分かれて、散りばめられている。

大袈裟に考えることはなく、小さなヒントを拾うように心がけたいと思います。

昨日の歯とのお別れ、穴の空いた歯茎。データ全滅。心が、もはや無です。

泣きながらでも笑ってしまえ

騒いでもデータが戻るわけでもないし、特に心が動かないので、平然とご飯を食べて笑っていたら、家族の方がショックそうに振る舞ってくれていました。「俺を恨んでくれっ涙」と言っていたけれど、実は1番今辛いのは私ではなく、多分データを消してしまった本人。きっと私に騒いでもらったほうが楽なのかもしれない。でも騒ぎたい気持ちになれない。

そんなこんなで家族が寄り添ってくれて、むしろ心ぽかぽか。しかもデザート買ってきてくれたり、美味しいもの食べさせてくれたり、フォローをいっぱいしてくれて、有り難い。その有り難さに感動して泣くという始末。何が何だか。

明日はこの先の良いアイディア浮かぶといいな。とりあえず業者に郵送しなくては。こういう時は、多少腰が重くても、目の前にある小さな1つひとつの作業からこなすのだ。