絵を描くことが面白い理由

絵を描くことは「楽しい」というより

「面白い」という方が、私は近いかもしれません。

消して描くのは楽ではない。でも興味深くて惹かれてしまう。

食事をしたり、運動したり、眠ったり、人と話をしたり。

これらのことは、生きていく上で避けては通れないことで、

必用であり大切なことであるのはわかります。

でも、絵って何で描くのでしょうね。

直接的に生命の維持に関わるわけではないので、描かなくても何が起こる訳でもありません。

自分自身でも

なんでこんなに絵ばっかりかいてきたんだろうと思うことも。

「絵を描くのって、こういう部分が面白いんだよね」というのを探して書いてみたのでご興味あればぜひ読んでください。

まずは大好きな画材から。

画材にときめく。止まない画材愛

私は、なのですが絵を描くときに「画材を選んで使ってみること」に面白みを感じている割合がかなり大きいです。

今って画材は本当にたくさんの種類があります。
水彩、油彩、アクリル、岩絵具、カラーインク、マーカー・・・等

水彩絵具ひとつにしても、メーカーも様々あります。

さらにその中から、それらの画材に変化を加えるためのメディウムと呼ばれるの画材もたくさん出ています。ツヤツヤにしたり、ザラザラの絵の具が作れたり。とろみを出したり、乾く速度を変えたり、色んなことができます。

私、画材屋さんへ行くことが好きでたまりません。画材を見ているときの顔はいつもと違っているかも、というくらい夢中になれる場所。

いつも見ているはずなのに、行く度にまた新しい画材に気が付いてワクワクドキドキさせられます。
おそらくどんどん進化して新たな画材も出ているんです。

そして、それら画材を何に描くか(どんな紙、画用紙なのか、キャンバスなのか、等)によって、
また描き味、雰囲気に変化が出るわけです。

そんな画材を愛してやまない私が画材の特徴をまとめたページ↓↓↓

お絵かき講座画材紹介

技法の探求

 

画材の楽しみは画材だけでは終わらない。
その画材を、どんな技法をつかって描くのかで
更に全く絵の印象は異なります。

例えば油彩で、絵の具を盛る様に厚くキャンバスに乗せるのか、
それとも薄く溶いて、フィルムを重ねる様な感覚で色を付けていくのか。
どんなタッチで描くのか。どんな手順で描くのか。
下地にはどんな色を乗せるのか。

こうやって考えると、表現の方法は何通りもあってきりがないくらいにあると思います。

作家さんから学ぶこともあります。
素敵な表現をしている作家さんを見て、
どうやって描いているんだろう、何を使っているんだろうと考えることも面白い。
これをつかってみたらいいのではないか、この手順で描いてみたらいいのではないか。

そうやって模索していくうちに、
今度は自分がまた新しい表現の仕方を学べたりして感動します。

平面で表現することの魅力

「画面」というのが平面だということにも、
私が絵を描くことに惹かれる理由の1つかもしれません。

作品を仕上げる前は、
ただの紙。ただのキャンバス。
平面に、ただ真っ白な画面が広がっているだけ。

でも、その何もない所に描くだけで、
まるでそこに一つの世界が生まれるみたいにして奥行きが出てくる。
(奥行きといっても立体的な絵に限定したことではなくて、平面的な絵でも
吸い込まれるような深い世界観が出るという意味で)

すごいことだと思いませんか。

モナリザも、ゴッホも、ピカソも、モネも、
みんな、その絵の元にあるのは。ただキャンバス一枚なんです。

一筆一筆が、
素晴らしい世界を生み出します。

命を吹き込んでいる感覚ですねきっと。

絵を描くことが自分自身の支えにもなり得るということ

このことは自分中心の視点かもしれませんが
絵が自分を手助けしてくれるツールになるということも絵の魅力なんです。

より美しい絵を描きたい、もっと上手くなりたい、感動を与えられるような作品にしたい
期待に応えたい・・・なんて難しいことを考え始めると、ちょっとこの「自分の為に描く」というテーマからは離れてしまいますが、
本来は自分が描きたいから描くわけです。

アートセラピーという言葉を聞いたことがありますか。
アートを制作することによって、心身を癒す療法です。
(アートセラピーは専門知識を必要とする重要なジャンルなので、
知識なく安易に自己セラピーや誰かにセラピーを施すのはお勧めしません)

つまり、アートが心を楽にする力を持っているわけです。
最近「大人の塗り絵」も流行りました。
これってやっぱり、淡々と画面に好きな色を塗っていく作業が、
ストレス解消になるんだと思うんです。

綺麗に塗らなきゃ!!はみでちゃった・・・なんて
気にしないで、好きなように塗る。

ぼーっとしながら手を動かすのって、リフレッシュになります。
塗り絵なら「色」を使うので
色から得る作用も相まって、効果があると思います。

 

私自身は、塗り絵ではありませんでしたが、やりきれないときにはストレス解消に絵を描いたこともあります。

もう何も気にしない様にして、無造作に書くんです。
そうやって画面に感情吐き出した後はすっきりします。

誰かと電話しているとき手元にあったペンでそこら辺の紙に、グルグルとわけのわからないものを、無意識で書いていることってありませんか??(あまりいないのかな・・・)

そのときみたいな感覚で無心で手を動かして描くのも1つのストレス発散になるのだそう。
ボケーっと。手の動くままに。

絵を描く事、アートに触れ合うことを
気負わずに、もっと気軽にたくさんの人が楽しめるようになったらいいなと思います。

 

色の魅力

私は「色」が好きです。絵を描くことはすんなりと「好き」と言えず躊躇しますが、色は好きです。大好きです。

色を見ているだけで気持ちが動きます。
とくに自分が好きな色を見ているときは、それだけで幸せな気分にもなれます。

皆様も好きな色を見ているのは幸せではないですか?
例えばお気に入りの色の洋服を着ている日は、なんだかそれだけで気分も上がり、
逆にイマイチしっくりこない色だったりすると、パッとしない一日になってしまったり。

また、子どもの頃に誰でもお絵かきをしたことがあるかと思いますが、自分の使っているクレヨンの中で
好きな色だけ、減りが早いことはありませんでしたか?
お気に入りの色で絵を描くというのは、やっぱり一つの自己表現だと思うし、楽しい事なのだと思います。

私は、色って絶対何かしらの作用があると思ってるんです。

色そのものがもっている、イメージってありますよね。
赤だったら、情熱的、とか激しさ、熱いイメージとか
青だと、静寂、涼しいイメージとか。
色が人にもたらす(人が色から受け取る)力ってあると思っています。

アイマスクをして、赤い部屋、あるいは青い部屋、のどちらかに連れてこられたとき、
人はその部屋の色を目で見なくても感じ取ることができるのだそう。

色は、その物体が何色の光を吸収し、何色の光を反射しているかによって、
赤だったり青だったりに見えるのだと思いますが、
ただの精神論だけではなく、そういう光の作用のようなものも、
あるのかもしれません。

ただ、色のもつ意味やイメージが、ある程度決まっていても、
私はやっぱり、その色をその人がどう感じるのかということが
一番大切だと思います。

赤い色をみて、力が湧いてくる人もいるだろうし、
逆に怖い気持ちになる人もいると思います。
なので縛られ過ぎずにお気に入りの色で描くのが一番です。

色について、こちらの記事でも書いていますので、

ご興味ある方のぞいてみて下さい。

林檎が赤く見える仕組み

繊細な視点から名付けられた和名の色

色の好みって本当に人それぞれですよね。
ある人は元気な色がすきで、ある人は落ち着いた色がすきでみんなそれぞれ。

私ははっきりと鮮やかな色よりも、曖昧な色合いの方が好みです。
なのでやはり自分の作品も、圧倒的に淡い色合いの作品が多くなります。

沢山の色の中から、自分の使いたい色を選んで、絵を描くのは
とても楽しいです。
身近で馴染みある画材の色鉛筆だけでも、
ものすごい色の種類が売られています。

 

12色セットの色鉛筆を買う時に、予めセットになっている物でも良いのですが、自分であえて12本好きな色を選ぶというのも、楽しいですよ。

コミュニケーションツール

絵を他人に見てもらうことで
絵は、一つの表現手段です。
表現には、それを受け取ってくれる相手が現れます。

そうして誰かと繋がりが生まれることも
絵の楽しみではないでしょうか。

以前小さなギャラリーで絵を展示したことがあります。
そのときに私が改めて感じたのは
絵がコミュニケーションの1つの要素になるということ。

自分の作品を見て、良くも悪くも誰かが何かを感じてくれるというのは
とても楽しいことでした。

何枚もの絵を並べて飾っていて、
私自身が気に入っている絵と、見てくれた人が気に入った絵は全然違っていたりします。
みんなそれぞれ、感じているものが違っているのです。
相手の中にある何かと、私の中にある何かとが、どこかでリンクして「共感」が生まれるのだと思っているのですが、どこがリンクするかは、それぞれ人によって変わるんですね。

表現をする

相手が受け取る

相手が反応を返す

相手の反応を受け取る

会話では、この連鎖が普通に行われていますが、
絵も似たような連鎖を生むことができているような気がしました。

その日はたまたま海外の方が同じ日にギャラリーに出品していて、
私の絵を見に来てくれたことがあります。
絵を見て、細かく描いていることに驚いてくれている様子を身振り手振りで伝えてくれました。
私はまったく英語が分らないのですが、絵を介したおかげでちょっとしたコミュニケーションが取れたことを覚えています。

言葉を特に介さなくても、何かしら共有できるものがあるのは、絵の素晴らしい点だと思います。
絵について難しいことがわからなくても
「この色綺麗だね」なんて単純なことの共有だっていいと思うのです。

そしてやっぱり、自分の絵を気に入ってくれる方との出会いは、
この上なく幸せです。
お互いに、相手の詳しいことを知っている訳ではないけれど、
どこか深い部分で繋がれたような気に、私はなります。

冒頭で書きましたが、絵を描くことってとくに生きる上でなくても困らないことです。

でもこうして絵を描くことの魅力を分析して書いてみると、意外と意味はあるのかなという気がしてきます。

私がここで書いたことは、

「絵ってこういう楽しみがあるんだよね」

という気軽な視点です。

もっと「人間がなぜ絵を描くのか」「なぜ芸術を通して人は学ぼうとするのか」という歴史的な観点であれば、もっと内容も変わっくると思います。

長々と書いてしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございます。

何か共感できる部分はあったでしょうか。
あくまでも個人的な視点であって、また違う人は違う楽しみ方を絵に感じているものだと思います。

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