言葉で伝わる人間性

多くの人が自己表現をするのに日々使っているのが言葉。言葉をヒントにして、他人との関係を築きます。相手がどんな言葉を使い、何を語るのか。ですが、その言葉に、人の内面はどこまで反映されているのでしょうか。

ブログを書いていると思うのです。この言葉に、いったいどこまで正確な内面が現れているのだろうと。今の私を的確に表現できているのだろうか。言葉で伝えるというのは、具体性があるだけに難しいです。

絵画のメッセージ

ここはアトリエなので、絵画での表現について触れたいと思います。絵はメッセージが抽象的です。そのため鑑賞する側も決して自分が、

“絵を通じて相手の内面を理解できている”

という錯覚に陥ることは少ないのかもしれません。

絵に感動したり、この作家はきっとこういった思いで描いたのだろうと、想像することはあっても。

具体的な意味を伝えるツール

一方言葉は、より具体的な表現が可能となってしまうために、聞き手もリアルに受け取ってしまうのではないでしょうか。

本当はそこまで的確に表現できていないかもしれません。言葉での表現が苦手な人もいますし。

言葉を聞いて、相手を分かっているという錯覚。

何かを語って、自分の思いは伝わっているはずだという錯覚。

そんな勘違いをしてしまうから、ああいったこういった、という喧嘩をしてみたり。

ブログのキャラクター演出

ブログに書く言葉なんて、どうにでもなってしまうのです。編集可能ですし。

ネット上では日々膨大な数のブログが更新されていますが、何らかのコンセプトにそって表現されている場合が多いと思うのですよね。

素朴なミニマリスト。節約主婦。子育て奮闘記。経験者は語る成功哲学。

それぞれテーマにあった自分を無意識に作って言葉を並べているのではないかと思います。

ブログは文字から得る情報が頼りなので、見ている側は並べられた言葉から相手のキャラクターを想像します。

でも案外、ブログのキャラクターと、リアルは異なる。

リアルタイムでずれていく

かと言って面と向かって話す言葉のほうが的確かというと、そう言うわけでもなく。

顔を合わせて話していても、語る言葉と内面のずれはあります。リアルタイムでその瞬間瞬間に浮かぶ、ふわふわと実体も無い思いの中から、1番ぴったりくるであろう単語を拾って伝えて、私たちは結構難しいことを日々何気なくこなしているのです。

上手く伝わらないことなんて山ほどある。そもそも何を伝えたいのか自分でもまとまらない時だってある。

私は喋ることが得意ではありません。言葉を探しているうちに会話が流れていってしまうことが多いし、そんなに日常の中でどうしても話したいと思うことも多くないので、自ずと口数が少なくなってしまいます。

そういった場合、言葉と内面のずれ以前に、何を考えているのかよくわからない。といった印象になってしまうこともあります。

人間性を知る

私たちは、相手のことを、どこまでわかっているのでしょうね。

言葉と言葉の間の何も無いところに、その人の思想が現れているのかもしれません。そういった部分を感じられるようでありたい。

言葉を大切にしたいと思います。