祖父の表情から教わったこと

大人は子供を躾ける時、自分の立ち居振る舞いを見直さなければなりません。振る舞いを整えれば、きつい言葉で怒鳴ったり、体罰に頼ったり、そういった偏りのある方法で子供に教える必要はなくなります。力でねじ伏せようとする大人の姿は、威厳とは異なるものです。

祖父の姿から学ぶ

孫たちに向ける祖父の表情は、いつも、目尻が下がった優しい顔でした。昔ながらのおもちゃを手作りして、遊んでくれたこともありました。

でも子供ながらに“おじいちゃんはすごく怖い人なんだ”という認識を強く持っていました。もちろん、孫という立場もあり、祖父に怒鳴られたことなんてありません。それにもかかわらず、祖父の厳しさを感じていました。

私の祖父は、孫たちには優しく微笑むのですが、大人と話す時にガラッと表情が変わる人でした。大人との会話になると、祖父は厳しい表情になるんです。それはけして相手を睨んでいるとか、大人にはキツく当たるということではありません。威厳のある、引き締まった表情に変わるんです。

それを普段から傍目に見ていた私は、おじいちゃんを怒らせてはいけない、と心の何処かで理解をしていました。なので自然と、わがまましなくなります。

怒りを向けるだけが教育ではないのです。大人の態度を子供はよく見ています。そこから多くのことを学んでいるのです。

逆に言えば、大人が教育という名のもと、ストレス発散のために子供を叱りつけている姿も、言う必要のない愚痴を浴びせ続けているのも、子供は見ているということです。

そして時が経ち、私が15?16くらいの時だったかな?その頃の私は反抗期真っ只中、色々とやらかしてしまったことがありまして、その時祖父に初めて、あの大人の顔を向けられました。直視すると余計怖い。話の内容よりも、ただならぬ雰囲気の方が印象に残っているくらいです。

毅然とした態度を大人がしていると、この人は正しい、私間違ってた、と素直に思います。むやみやたらに怒鳴られているだけだと、この人ヒステリー起こしやすい人なのかなぁ?めんどくさいなぁ、、、なんて思ったり?

大人の威厳は効果絶大です。