奥行きのある絵を描く 簡単遠近法

奥行きのあるイラストの描き方

「風景」や、「部屋の中」、「テーブルの上に置かれたもの」など、空間を描くとき、なかなかバランスを取るのは難しいものです。

遠くにあるはずのものなのに、大きく描きすぎてしまったり・・・

隣同士並べて描いたはずの物体が、なぜか片一方だけ浮いているみたいに、歪んで描けてしまったり・・・

 

 

●●●●●●●●●●

ここに林檎のイラストがあります。

林檎ひとつを描くだけならば

配置は気にしなくても大丈夫。

 

でも、

1つの絵の中に

複数のものを描きたい場合は、

それぞれどのような配置で描くのか

考える必要がありますよね。

「林檎はぶどうよりも手前に描こうかな??」

「テーブル端っこには、花瓶も描きたいな」

「部屋の壁には小さな窓を描いてみよう」

 

といったように

構図を考えていくのですが・・・

それらを上手に

バランス良く配置していくのが

なかなか難しい!

 

立体感や、奥行きのある絵を

描くときに使われる

「パース」

というものがあります。

 

パース

というのは

バランスの取れた

奥行きのある絵を描くための

方法です。

遠くにあるはずのものが、手前にあるものよりも大きく描かれていたり、バランスが悪くおかしな立体感になってしまっている場合に「パースが崩れている」なんていう言い方をしたりします。

今回はこの”パース”を利用して、出来るだけ簡単に

奥行きのある絵を描く方法をお話します!

パースの基本

パースをとるのに欠かせないのが、

 

画面の上に線を引くことで、

バランスの取れた構図を

描いていくんです。

 

こんなバッテン印が役に立つのですよ~!

 

4本の線を引いてみました。

この線を目印にしながら絵を描くんです!

 

この線を目印にして

絵を描くときには

ルールがあります。

 

そのルールについてお話していきますね。

 

 

横の線のルール

この線の中でも特に、

すごく大事な役割をするのが

横の線。

 

この横の線、

カメラの位置

思って下さい。

 

カメラの位置??とはですね、

描こうとしている風景を

カメラに収めるとします。

 

その風景を撮影したときの、

カメラを固定した高さ横の線

になります。

 

???

 

わかりやすいように、

図を使って説明しますね!

 

横の線=カメラの高さ

ということは

横の線より上に描く物は、

カメラが少し

見上げているような形で描くんです。

 

逆に

横線よりも下に描く物は、

カメラが

見下ろしている形で描きます。

 

 

線と線がクロスしている部分のルール

もうひとつ大事なのが、

線と線が交わっている所

この線と線が

交わっている所に

近い場所に描いた物ほど、

小さく描きます。

 

パースを使って絵を描くときは

最低限

横の線・クロス部分、

この2つのルール

意識して使います!

 

ここまでの説明の捕捉

なぜクロス部分に近づくほど小さく描くのか。

実際には絵なので平面でしかないのですが、

絵の中の世界では、中央のクロスした部分が一番遠い場所という設定になります。

絵って、「奥行きのある絵」とは言っても、

実際は平面のただの紙じゃないですか。

でもそこに工夫をこらして

なんとか立体感を持たせようとするわけです。

どうしたら立体感になるんだろー。と考えて、

昔の人はあることを思いつきます。

私たちの目には、遠くにあるものほど小さく映りますよね。景色を眺めているときも、遠くにある建物ほど小さく見えてますよね。

だったら紙の上でも、遠くにある設定のものをぎゅぎゅっと小さく描いてしまえば奥行きのある絵に見えてくるんじゃないの?!ということになるのです。

感覚をつかむために

ちょっと追加で説明イラスト載せます。左上の丸がさっきのバッテン印ね。(丸描きくわえちゃってるけど)それを、横から見ると円錐のイメージなの。中央がぎゅぎゅぎゅーって寄せ集められている感じ。

言葉で説明を聞くと難しそうに思えるんですが、感覚としてコツがつかめてくると簡単です。

2つのルールを意識して描くと・・・

 

横線よりも上の場所に描いた箱は、

見上げているような形に・・・

下は、見下ろすような形・・・

線のクロスした部分に近くなるほどに小さく・・・

 

と意識して描いてみます。

 

すると次の図のように

箱を描く場所によって

箱の向きや大きさが

変わってくるんです。

そんなこと言われても・・・

見上げたような箱って・・・

見下ろしたような箱の形なんて・・・

いったいどうやって書けばいいの!!

 

と、

次は、そんな疑問を、

解消していきますね!

 

この線を目印にして

実際にどうやって箱を描くのか。

 

立体的は箱を実際に描いてみよう

 

縦、横、斜めの

4本の目印。

 

この上に、

どこでもいいので

四角を描きます。

これでは全然、

立体的とは言えませんよね。

 

ここから、

箱の奥行きを描いていきます。

 

四角の角から、

中央の、線がクロスしている部分に向けて、

線を引きます。

どの場所に描いた四角であっても、必ず中央のクロスした部分へむかって線を引いて奥行きを描きます。

今引いた線は、

箱の奥行きの部分になります。

 

 

今引いた線を

どの辺りで切るかによって

箱の奥行きの長さが決まります。

 

箱の奥行きを、

どのくらいの長さにしたいかは、

お好みです。

 

好きな所で線を引いて

区切りましょう。

最初に描いた四角に

近い所で区切れば

薄っぺらい箱に。

逆に

奥行きの長~い箱にしたいときは、

最初の四角から

離れた所で区切ります。

 

区切ったら、

余分な線は消します。

これで立体的な箱の完成です。

 

箱の描き方を基に風景を描いてみる

バッテン印のパースを目印にして、簡単な風景を描いてみます。

横の線のルール・・・横線より上にある物は見上げた形に。下は見下ろした形に。

クロス部分のルール・・・クロス部分に近いものほど小さく描く。

立体的な箱を配置して大体の場所を決めたら、そこへ肉付けしていきます。家にしてみたり、バスにしてみたり。

あとは・・・

もっともっと適当に

奥行きのある絵を

気楽に描きたい方に

おすすめしたい方法が

ひとつだけあります。

 

ちょっと

慣れるまでにはコツがいるかも

しれないのですが・・・

慣れてきたら

 

頭の中に

箱を用意しておくこと。です。

 

 

脳内の魔法の箱です

 

私はよく、

頭の中に1つの箱をイメージして、

それを参考にしながら

絵を描きます。

こんな感じで、

1つの箱を手前に持って来たり、

奥に持って行ったり、

回転させたりして、

頭の中で描きたい物と

照らし合わせるんです。

なんとなーく、

箱を目印にして配置します。

奥の方は小さく、上にあるものは見上げるような箱の形・・・と空想します

そしてその箱を目印にして

絵を描いていきます。

慣れていないと、

なかなか頭の中に箱なんて

想像できないかもしれませんが、

なんとなく感覚がつかめるようになると

便利です。

 

厳密で正確なイラストには

向かないかもしれません。

でも

パパっと

お絵かきしたいときなんかは、

この箱をイメージできるだけでも、

なんとなく描きたい物を

どんな形に捉えて描けばいいかが

わかるようになります。

精密に、きちんと正しいパースを取って絵を描く場合は、何本も細かく線を引いたり、もっと複雑な方法で描く必要があります。今回、線と線が交わる所の1か所を基準にしましたが、複数の点を使う方法もあるんです。でも、楽しくお絵かきをしたいとか、ちょっとしたイラストを楽しみたいな、という場合には、結構がっつり線を引いてバランス取るのってめんどくさいです。そういう場合には、今回のように線を少しだけ引いて、なんとなく目印にしてもいいです。

パースはイラストの邪魔にならないように、下書きを描くような感覚で鉛筆で薄く引くと良いです。ちなみに・・・もしももっと簡単にしたい場合は斜めの2本は無くても良いです!縦と、横の線だけでもOK。斜めの2本はあると目印にしやすいかな、という程度なので。

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おさらい

★パースのルールその1・・・横の線はカメラの位置!線より上の物は見上げた形、下の物は見下ろした形に描く

★パースのルールその2・・・クロス部分に近くなるほど小さく描く

バランスの良い配置で

奥行きのあるイラストを描くために

パースについて書きました。

ちょっと複雑で難しく感じてしまった方も

いるかもしれません。

でも実践できなくても、なんとなく

こんな方法もあるんだ~くらいに

頭の片隅にあるだけでも違うと思います!

楽しくできそうなことから試してみて下さいね。

 

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