透明を描く
〜レースのような半透明の花びら〜
「透明」の描き方についてご紹介しています。
今回は半透明を描いてみましょう。 向こう側が透けて見えるレースや、 フィルムのような質感に見せるための、 色の塗り方についてお話していきます。
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なので画面上に透明の物を描きたいときには、透明に見えるように描くことがポイント。
どのように描けば透明に見えるかというと・・・
透明に見える仕組み
ここに2つの丸い形があります。
この2つの丸が
透き通っているように見えるか
と聞かれたら・・・
まったくそうは見えません。
ただの濃いグレーの丸の上に薄いグレーの丸が重なり合っているだけのイラストです。
透き通って見えるイラストにしたい場合、ポイントになるのが「向こう側」です。透き通って見せたい物の、向こう側がとても重要なんです。
例えば手前のグレーの丸を
透き通っているように
見せたい場合は・・・
手前のグレーの丸の中から、その向こう側にある濃いグレーが少しだけ見えるようにしてあげればいいのです。
いかがでしょう。
手前のグレーの丸が、
すりガラスのような
半透明の物体に見えてきますよね。
では今度は
奥にある濃いグレーの丸を
透き通って見えるように
したいと思います。
先程と同じように、
濃いグレーの向こう側
に、ある物体を
少しだけ見えるようにして・・・
と言いたいところですが
残念なことに
濃いグレーの向こう側には
何も描かれていません!
強いて言えば、
背景の白い色があるだけですね。
濃いグレーが透けるとしたら、
背景の白い色が透けて見えるわけですが・・・
これでもいいのですが、
いまいち、透けてる感じが弱いです。
こんなときもポイントになるのが
濃いグレーの丸の「向こう側」。
透かして見せたい場合は、
向こう側を見せればいい。
ということで、
「向こう側」を描きくわえてみます。
葉っぱ描いてみました。
簡単にですが、
濃いグレーのさらに奥に
葉っぱを描きくわえてみました。
先程の背景の白だけが
透けているイラストよりも、
葉っぱも加えたイラストの方が
透けている感じが多少増しています。
絵で、透き通っている物を描くときは、
透き通って見えるように見せる
ことが大切です。
そのためには、
透き通らせたい物の
向こう側
がポイントです。
練習してみよう
さて、
ここまでは、
どうしたら透き通って見えるのか、
という仕組みについて書きました。
次は実際の、
描き方の手順を説明していきます!
先程のイラストは、
いかにも
デジタル感の強い
イラストだったので、
今度はもっと簡単に、
挑戦しやすよう
アレンジしてみました。
今回は鉛筆で描くことを
想定しています。
鉛筆や色鉛筆って
気軽にイラストを描けるので
皆様も試しやすいかな、と!
ボールペンもでも良いと思います。
まずは練習として、
こんな感じの2重に重なる
半透明の2つの丸を
描きたいと思います。
まずは丸で練習です。
2つの円を少し重ねて描きます。
赤い斜線の部分だけ、
軽く塗りつぶしましょう。
こんな感じ。
次はこちらの斜線の部分を
同じ様に、薄く塗りつぶします。
この時点で、
丸が重なり合っている部分だけ、
若干色が濃くなっているはずです。
次はその色が濃くなっている部分、
(円が重なり合っている部分)
を強調させたいので、
もう一度薄く塗り重ねます。
ポイントとなる向こう側です。向こう側の色が透けて見えるわけですから、より濃い色になります。
少し重なっている部分が濃くなりました。
最後にそれぞれの円の縁を、
少し内側まで薄く塗り重ねます。
(内側に行くほどぼんやりと薄く塗れると尚良いです)
境界線を少し濃く描くことで、透き通った部分の色の薄さが強調されます。
これで完成。
レースのように透き通るお花を描いてみよう
ではでは早速、この半透明に見せるテクニックを使って、レースのようなふんわりと透き通る花びらを描いてみたいと思います。
お花って手紙の端とか、手帳の隅にパパっとイラストを描くときにもとても出番が多いです。お花が描けると何かと便利。と、個人的には思ってます。
お花の縁取りだけ描いたイラストです。
このお花の形はどのようなものを描いてもいいですが、必ず花びらがこの重なり合う部分を作ってください。また、もっと立体的に描いても全然OKですが、平面の方が初めのうちはやりやすいのでお勧めです。
ここに薄く色を塗りながら、
半透明の、
ふんわりした
レースみたいな花びらに
していきたいと思います。
ではまず赤い斜線の部分、
花びらの1枚だけに
色を薄く塗ります。
2枚目、3枚目の花びらも
同様に薄く色を塗ります。
赤い斜線の、
花びらが重なり合っている部分を
もう一度薄く
色を塗り重ねます。
今度は花びらの縁を、
内側に向かって少しだけ
色を重ねましょう。
これでほぼ完成。簡単です。
仕上げにおしべ、めしべを
描きくわえたり、
葉っぱに色を塗れば・・・
出来上がりです。
同じお花のイラストを描くのでも、
塗り方ひとつで個性的になります。
こちらのお花も、
先ほどとまったく同じ描き方で
描いています。
ただ、
葉っぱの部分も
透けて見えるように
描いています。
葉っぱを
透けて見えるようにする描き方は、
花びらのときと全く同じです。
お花の形、使う色、
などアレンジすると楽しいですよ!
半透明にするだけで、
透明感が増して
繊細な感じになるのでお勧めです。
おさらい
★向こう側を意識して描くことで透明に見せる
★重なり合う部分の書き方が重要
ぬりえで練習してみよう
さて、ここでレースの様に透き通るお花を実際に描いてみようかな、という方に向けて塗り絵をご用意しました。
ガイドとなる色見本も付きもあるので、それに習って塗るとイメージもつかみやすいです。塗り絵ダウンロードはこちらのページからできます。
透明の描き方は色んな方法があります。
どんな透明を描くのか、澄みきったクリアな感じなのか、ぼんやりとした透明感なのか、によっても、また描き方が異なってきます。いろんなアレンジの仕方が自由にできるようになると絵を描くのも更に楽しくなりますよ。
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